健康診断で「高血圧」と言われたらすべきこと
高血圧と言われたらすべきこと
高血圧の特徴について、厚生労働省は下記の3つを提言しています。
日本人の生活習慣病死亡に最も大きく影響する要因です。もし高血圧が完全に予防できれば、年間にして約10万人の人が命を落とさずに済むと計測されます。高血圧自体は過去数十年で大幅に減少しましたが、今なお20歳以上の国民の2人に1人は高血圧と言われています。とても身近な病気です。
私たち日本人にとって、身近な病気です。しかし、高血圧の初期段階では無症状の場合が多く、安易に考えて放置しがちです。
最低限の知識があって様子を見ているのと、何も知らずに放置しているのとでは全く異なります。
この記事でわかること
高血圧と言われたけど、どうしたらいいのかわからない…。という方のために、高血圧に関する最低限の知識や意外な落とし穴を簡潔にわかりやすく書いています。
高血圧の診断基準値(2019年改定後)
家庭用の血圧計の場合はマイナス5を引いた値が目安となります。
収縮期血圧≧130、拡張期血圧≧80で「血圧高めで注意が必要」。
収縮期血圧≧140、拡張期血圧≧90で「生活習慣の改善が必要」という認識です。
原因と症状
血圧が上がる主な原因として、
- 肥満(内臓脂肪型)では、食べすぎや運動不足によって血管の収縮を亢進します。
- 塩分過多によって体内の塩分濃度が増えると水分をため込み、血液量も増加します。
- ストレスを感じると交感神経が亢進し、血管収縮する事で血液量が増加します。
- 喫煙習慣で末梢血管が収縮する事で、血圧が上昇します。
- 加齢に伴う血管の弾力性が低下する事で、収縮時血圧値が上昇しやすくなります。
- 寒暖差のストレス、環境の変化によって末梢血管が収縮します。
- 体質(ホルモン分泌異常、肝臓疾患)などが原因の二次性高血圧があります。
また、糖質の過剰摂取も忘れてはなりません。「高血圧=塩分過多」が一般的に認知されていますが、むしろ高血糖による血液がドロドロな状態は血管を脆くし、動脈硬化に繋がります。
自覚症状がないと言われる高血圧、合併症のリスクが高まると症状として出始めます。動悸、息切れ、手足のむくみが症状として挙げられます。これは「動脈硬化」と言われ心疾患の原因となります。そのほか、脳卒中や腎臓病など合併症を誘発します。
動脈硬化は血管がボロボロになり傷ついた状態です。古いホースが固くなり、内側にカスが溜まっていくイメージです。
血圧が高いと言われたらすべきこと
基本的に生活習慣の改善を一定期間かけて行い、それでも血圧が変わらなければ「高血圧」となり投薬治療が始まります。自分達ができることは、血圧を正常値にコントロールする事です。
その為に、いち早く病院での検査を行い、生活習慣を見直す事が重要となってきます。
血液量が増える
カリウム不足→野菜不足が考えられます。
カリウムはナトリウム(塩分)の再吸収を抑制し尿中への排泄を促進し、血圧を下げる役割があります。カリウムの摂取量は1日あたり2,000~3,000㎎が目安とされていて、腎機能が正常で薬などの使用がない場合は通常の食事で過剰になる事はありません。
カリウムが摂れる食品:藻類、果実、豆類、野菜を意識して摂取しましょう。
血液濃度が上昇し、粘性が上がる
水不足が考えられます。
水分を摂る理由は、余分なナトリウム(塩分)を体外へ排泄することで、血圧のコントロールに役立ちます。1日あたり2ℓほどが目安とされていて、水やお茶がおススメです。夏の時期は汗で流れ、冬場は乾燥や寒さによる血管収縮で血圧が上がりやすいので意識して摂取が必要です。
末梢血管が収縮する
いわゆる緊張状態によるストレスが考えられます。
寒暖差のストレスや環境の変化、その人の性格も関係します。腹式呼吸による深呼吸やストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動、睡眠の質にこだわることがおススメです。
高血圧の治療と予防
高血圧と診断された場合の治療は、血圧の程度や年齢、喫煙の有無などから総合的に判断されます。多くの場合、3か月ほど生活習慣を見直し、改善する期間を設けてそれでも改善されない場合に投薬治療を開始していきます。
高血圧の予防とまとめ
これまで読んで頂いた方であれば、最後に言いたい事がなんとなく察しがついているのではないでしょうか?
ほとんどの生活習慣の見直し・改善に関する記事は、同じパターンで終えています。
「生活習慣の改善」ってことは理解できるし、関心は多少あるのだけれでも、その先の「取り掛かり・行動を起こす」までが難しいんですよね。以下の3つを自分自身と向き合って考えてみましょう。
1.知識の習得と理解
まず自分の状態を把握し、簡単でいいので知識を習得する事です。自分にとってのメリットとデメリットを理解しましょう。
2.自分の感情に寄り添う
健康診断で指摘されたけど、このままでいいのか?次回の健診でもっと酷くなったらどうしよう…。太ってきたなぁとか。
3.環境の再評価
自分が不健康であることで、周りはどうなる?(家族、会社、友人など)
これらを前向きに捉えたら、次の行動に移ります。それを実行している自分に対してポジティブなイメージを持つようにしましょう。未経験であれば簡単な事柄からやってみるとか…。運動習慣であれば運動を教えるプロに教えてもらうとか。一人で不安であれば仲間を作るなど。
習慣を変えるという事は決して容易な事ではありません、最初から独学で行うにはハードルが高すぎます。ある程度の知識と目的意識があれば、取り掛かりは難しいことではありません。