生活習慣を改善する食事
健康寿命ってご存じですか?
平均寿命とは異なり、健康上の問題で制限されることなく、生活ができる期間のことです。生きている間は誰しも健康で過ごしたいと思います。この健康寿命にかかわるのが生活習慣であり、敵対するのが生活習慣病です。
生活習慣病については前回の記事を参照してください。
この記事でお伝えしたい事
生活習慣病の予防のための「食事」に関連するトピックを端的にわかりやすく解説していきます。
生活習慣病と食事の関係
健康的な身体を維持するためには、食生活を自分のライフステージ(成長期/青年期/妊娠/中年期/閉経)や体質に応じて管理する必要があります。
好きな時に好きなものだけ…。といった食生活のバランスによっては生活習慣病のリスクが高まります。
三大栄養素と言われる「糖質・脂質・たんぱく質」は生命維持に不可欠ですが、摂取しすぎると糖尿病や肥満、いずれは心疾患などの原因になりかねません。また、上記と合わせ五大栄養素に含まれるビタミンミネラルは補酵素として前述の三大栄養素の吸収を促進する役割であり、不足する事で貧血や骨粗しょう症の原因となります。
特に青森県では塩分摂取量が全国的ににみても多いです。過剰に摂取すると高血圧や脳血管系疾患のリスクが高まります。
健康的な食生活において注目すべき数値
塩分摂取量
まずこちらの都道府県別のグラフを見てください。
青森県の年間塩分消費量は全国平均の倍にあたる量と言われています。私たちは当たり前に生活していますが、驚きの数値です。
塩分消費と相関するランキングによると、以下の3つにおいて正の相関があります。
- 脳梗塞死亡者数
- 味噌消費量
- 年間降雪量
なぜか、納得してしまいます。青森県庁HPの塩分摂取量のガイドラインでは8gとなっています。あまり知られてはいませんが、青森県では「塩」の置き換えとして「出汁」を使うように推進しています。
肥満率
肥満を図る基準値は、「BMI体格指数」と「腹囲ウエスト」があります。
BMI=体重㎏×(身長ⅿ×身長ⅿ)
腹囲=男性≧85㎝ 女性≧90㎝
青森県は全国平均よりも肥満率が高い傾向です。なかでも最近は小中学生の肥満傾向が危惧されています。下記は青森県の成長期の子供のグラフです。
肥満の方がメタボリックシンドロームと診断されると、心疾患や脳血管系疾患のリスクが一層高まることが知られています。
野菜摂取量
野菜を摂る理由は、体内にあるナトリウム(塩分)を排出する効果のあるカリウムと血糖の上昇を抑え、腸内環境を整えるための食物繊維の摂取です。
青森県では成人1日あたり350gの野菜摂取量を目標としています。栄養素別でみると食物繊維は1日摂取量の目安は18~20gです。これは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられ、それぞれに目的がありまんべんなく摂取する必要があります。
生活習慣を改善する食事
楽しみながら継続できる食事
食事は一般的に1日3回、週でおよそ21回もの回数に分けられます。ストレスなく継続できることが第一です。予防や健康増進を意識するのであれば、ストイックな食事管理や何かを犠牲にしなくても維持していく事は可能です。この部分は、管理栄養士など専門性の知識を持った方にアドバイスを貰うのが最短で最善の方法です。
適切な摂取カロリーや栄養素の目安の理解
前提として、日に必要なカロリーや栄養素は人によって異なります。基礎的な計算方法を3ステップでまとめました。
- ①基礎代謝を求めます
- 基礎代謝=徐脂肪体重※(体脂肪以外の体重)×28.5
※徐脂肪体重は「体重×体脂肪率」で計算できます。
- ②自分の身体活動レベルを算出します
- 運動習慣が全くない方=1.2
デスクワークが多い方=1.3
トレーニングをした日=1.5
重労働をされた日=1.9
- ③推定摂取カロリーを求めます
- 推定摂取カロリー=基礎代謝×活動レベル
これで、あなたの1日の推定摂取カロリーが把握できます。この数値をもとに、体重や体調などによって食生活を管理していきます。
朝食は必ず摂取する
朝食を摂ることで、これから活動するエネルギーとなり、基礎体温が上がることで身体は代謝を高く維持します。朝食を摂る習慣がない方は、できる事から始めましょう。理想は「三大栄養素(糖質/脂質/たんぱく質)を意識した、咀嚼できる食事」が良いです。
塩分と脂質の量と種類に注意
塩分については前述した通りです。しかし、夏場の屋外での活動が多い場合は熱中症のリスクを考えて、調整します。
脂質は多くても総カロリーの2~3割程度に抑え、サラダ油等の「オメガ6」、マーガリンなどの「トランス脂肪酸」は栄養摂取効率が悪いので、摂取は避けましょう。
食物繊維を十分に摂る
食物繊維を意識的に摂ることは腸内環境を整え、血糖の上昇を抑制し、生活習慣病の予防にとても効果的です。
- 水溶性食物繊維(水に溶けやすく粘りがあり、糖質やコレステロールの吸収を抑える役割)
- 不溶性食物繊維(水分と同化し、腸を刺激することで便通を活性化させる役割)
まとめ
生活習慣はライフステージや生活環境に応じて異なってきます。
仕事や育児、家事など…忙しい日々のなか、食生活を見直し改善する事はとても大変なことです。しかし、健康寿命は当たり前ではありません。自分にとって適切な食事の内容・量を把握していれば、外食や加工食品などを上手に活用しつつ、必要なエネルギーや栄養を摂取することができます。
人間は食べたモノが栄養やエネルギーとなり行動しています。生活習慣病の予防において、食事管理は必ず必要です。
まずは無理なく継続できる範囲で、多くの方が食知識として学んで、過去の習慣のまま惰性することなく自分自身の健康を大事にしましょう。